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「世界的食糧危機の恐れ」WHOと国連が警告!日本の食料自給率状況はどれくらい?

「現在進行中の新型コロナウイルス危機に当局が適切に対応できなければ、世界的な食料不足が発生する恐れがあると、国連(UN)専門機関の国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)、関連機関の世界貿易機関(WTO)の3機関のトップが4月1日、警告した」と報道され対策が必要です。
国連とWHOとWTOが警告した「世界的食糧危機の恐れ」ということで、日本の食料自給率状況はどれくらいあるのでしょうか?

「世界的食糧危機の恐れ」WHOと国連が警告!

【4月2日 AFP】現在進行中の新型コロナウイルス危機に当局が適切に対応できなければ、世界的な食料不足が発生する恐れがあると、国連(UN)専門機関の国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)、関連機関の世界貿易機関(WTO)の3機関のトップが1日、警告した。

世界の多くの政府がウイルス拡散を遅らせるためロックダウン(都市封鎖)に踏み切ったが、これにより国際貿易と食料品のサプライチェーンに深刻な影響が出ている。

多くの国で、ロックダウンの対象となった都市の住民がパニック買いに走り、スーパーマーケットの陳列棚が空になった。これは食料品のサプライチェーンの脆弱(ぜいじゃく)さを示している。

FAOの屈冬玉(Qu Dongyu)事務局長、WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長、WTOのロベルト・アゼベド(Roberto Azevedo)事務局長は連名で共同声明を出し、「食料品の入手可能性への懸念から輸出制限のうねりが起きて国際市場で食料品不足が起きかねない」と述べた。

これは根拠のない脅しではない。2007年の世界金融危機後には、コメの生産国であるインドとベトナムがコメの国内価格の上昇を避けようと輸出を規制した結果、コメの国際価格が急騰して一部の発展途上国で暴動が起きた。

ロシアは、小麦の国内価格の上昇を防ぐためすでに備蓄の放出に踏み切り、輸出規制も検討している。3機関の警告はロシアを念頭に置いている可能性がある。

■労働者を集められない! 農業混乱の恐れ

より長期的には、封鎖命令と人の移動制限によって農業労働者の確保や食料品の市場への出荷が不可能になり、農業生産が混乱するリスクがある。

速やかに打開策を見いださない限り、米国ではメキシコからの季節的農業労働者の不足で多くの作物の生産がリスクにさらされる。西欧でも北アフリカと東欧からの労働者の不在により、同様の結果を招きかねない。

FAOのシニアエコノミスト、アブドルレザ・アッバシアン(Abdolreza Abbassian)氏は、AFPの電話インタビューで、「この危機は始まったばかりだ」と話し、生産よりもむしろ輸送やロジスティクスの問題だと述べ、人口と輸出国としての役割の大きさから、先月25日から全土で3週間のロックダウンに入ったインドの状況が鍵を握るとの見方を示した。

FAO、WHO、WTOの事務局長らは、食料品のサプライチェーンに直接関わる人とそれ以外の人両方の健康を守り、食料品のサプライチェーンを維持する上で、食料の生産・加工・流通に携わる労働者を保護する必要があると強調した。

イタリアとフランスでは、スーパーマーケットのレジ係が新型コロナウイルスに感染した例もあり、一部の労働者は感染予防措置や防護具が不十分だとして職場を放棄。米国でも、高級スーパーのホールフーズ・マーケット(Whole Foods Market)で職場放棄が起きた。

FAO、WHO、WTOは、新型コロナウイルス対応策が引き起こす食料品不足を避けるには協力することが必要だと訴えた。(c)AFP/Isabel MALSANG

出典元:AFP bbニュース

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日本の食料自給率状況はどれくらい?

食料自給率とは

「食料自給率」とは『国内の食料消費が、国産でどの程度賄えているかを示す指標』です。
簡単に言うと、国内の食べ物全体の内、どのくらい国内で作っているかを示す割合のことです。

食料自給率には総合食料自給率と品目別自給率の2種類がありますが、基本的には食料自給率=総合食料自給率のことを指します。

総合食料自給率に熱量で計算する「カロリーベース」と、金額で計算する「生産額ベース」がありますが、日本2つとも長期的にみても低下しています。

簡単に言うと、国内で消費された食料のうち、国産の占める割合のことを「食料自給率」と表現します。

農林水産省の発表によれば、2018年度日本の食料自給率は37%カロリーベース)で過去最低記録しています。

もっとわかりやすく言うと日本で食べられているもののうち、37%が国内で生産されたもので、残りの63%は海外からの輸入に頼っているということになります。

どれだけ海外からの輸入品に日本人が頼り切っているかということです。

農林水産省のホームページからその状況や海外の状況を見てみましょう。


(資料画像出典元:農林水産省 日本の食料自給率
海外の食料自給率をみると、カナダ264%オーストラリア224%アメリカ130%フランス127%ドイツ95%イギリス63%イタリア60%スイス50%日本は最下位で37%先進国の中でも最低の数値でいかに諸外国からの輸入頼っているのかが分かると思います。

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日本の品目別自給率


(資料画像出典元:農林水産省 日本の食料自給率

農水省の発表している品目別自給率によれば、現在、コメの自給率は主食用において97%で安心感はありますが、

牛肉に関しては36%程度、ただし育てる上で飼育飼料を輸入に頼っている牛を除外すると、純粋な国産牛肉の自給率は10%にまで下がります。

豚肉48%国産飼料飼育6%)、鶏肉64%(国産飼料飼育6%)と外国産飼料飼育にどれだけ頼っているのかが分かると思います。

肉類以外にも、小麦12%大麦9%大豆6%野菜77%きのこ類88%果実38%

食用の魚介類59%砂糖類34%油脂類13%といった主要食品の割合が、日本国内でカバーしている食料自給率の実態です。

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カロリーベース総合食料自給率

「日本食品標準成分表2015」に基づき、重量を供給熱量に換算したうえで、各品目を足し上げて算出。
これは、1人・1日当たり国産供給熱量を1人・1日当たり供給熱量で除したものに相当。

(例)カロリーベース総合食料自給率(平成30年度)
=1人1日当たり国産供給熱量(912kcal)/1人1日当たり供給熱量(2,443kcal)=37%
(資料画像出典元:農林水産省 日本の食料自給率
我が国で採用されているのが、「カロリーベース」の総合食料自給率ですが、日本のほか、韓国や台湾など、一部の国でしか採用されていません。
これは、それぞれの品目の重さを、人が生きていくのに必要な熱量(カロリー)を基準にして割り出しています。
1人1日当たり国産供給熱量(912kcal)÷1人1日当たり供給熱量(2,443kcal)✕100

生産額ベース総合食料自給率

「農業物価統計」の農家庭先価格等に基づき、重量を金額に換算したうえで、各品目を足し上げて算出。
これは、食料の国内生産額を食料の国内消費仕向額で除したものに相当。

(例)生産額ベース総合食料自給率(平成30年度)
=食料の国内生産額(10.6兆円)/食料の国内消費仕向額(16.2兆円)=66%
(資料画像出典元:農林水産省 日本の食料自給率

生産額ベース総合食料自給率というのは、現在多くの国が採用し、国際的に主流となっている算出方法で「生産額ベース」の食料自給率です。

これは、それぞれの品目の重さを、生産額を基準にして割り出します。

国内の食料生産額÷国内の消費仕向量✕100

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生産額ベースの総合食料自給率でかんがえると

食料自給率の算出でカロリーベースの場合

先程の表で説明したように、輸入された餌で育った牛・豚・鶏などは、純国産にならず計算に算入しないのでかなり低い数値になってしまいます。

そこで、生産額ベースで食料自給率を考えると

もう1度、生産額ベースで総合食料自給率の表を見てみましょう。


(資料画像出典元:農林水産省 日本の食料自給率
カナダ121%オーストラリア128%アメリカ92%フランス83%イタリア80%ドイツ70%スイスが70%日本66%イギリスが58%日本の自給率は最下位ではなく、ドイツスイス肩を並べる水準です。

ただし、7割近くの食料自給率だと安心してはいけません。

あくまで、世界各国からの輸入品(飼育飼料など)が入荷出来ている状態での数字ですから

国連とWHOとWTOが警告した「世界的食糧危機の恐れ」の記事も納得です。

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日本の食料自給率が低下した理由

日本の食料自給率がここまで下がってしまったのはなぜでしょうか?

日本の敗戦で戦後の子供の給食に当然のごとく出されてきたパン、欧米文化が広まり高度成長に伴って豊かになった日本人が米や魚の昔ながらの食生活から、パンと肉を求めるようになり急激に日本人の食生活が変化していきました。

バブルを迎える頃には、飽食の時代と言われ、食品の廃棄ロスも年々増加しています。

日本の食料自給率どうしたら良いのか

まずは、年間2000万トン以上も出る食べられずに廃棄されてしまう食料品対策。

お店や家庭で発生する食べ残しや消費期限切れで捨てられる食料を極力減らして行く努力が一番簡単で即効性のある対策です。

昔の日本人の美徳とされた「もったいない」を思い出す時期に来ているのだと思います。

高齢化・跡継ぎ不足などによる農水産物生産者の減少と生産ベースの衰退はすぐには改善できませんが、政府も民間も知恵を出し合って国民も食に対する意識を変えて

時間はかかっても日本の農水産物の自給率を少しずつでも上げていく姿勢が大切だと思います。

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