中国・武漢を発端とした新型肺炎コロナウィルスの世界的パンデミックが心配されていますが、2月4日に世界保健機関(WHO)のグローバル危機準備担当局長シルビー・ブリアン医師は、新型コロナウイルスを巡っては、「パンデミック」ではなく、「インフォデミック」が起きていると指摘しています。
新型肺炎(コロナウイルス)の虚偽情報にグーグルやフェイスブックも対応を始めています。
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インフォデミックとは?
インフォデミック(infodemic)とは
誤った情報の伝播による混乱、infomation epidemic(情報の伝染)の短縮形です。
出典:imidas
中国・武漢を発端とした新型肺炎コロナウィルスの世界的パンデミックが心配されていますが、2月4日に世界保健機関(WHO)の会見で現状では「インフォデミック」が起きており
その対策が必要だと世界中に呼びかけています。
世界保健機関(WHO)の担当者は4日、新型コロナウイルスについて、「必ずしもマスク着用は感染予防にはならない」と述べた。手洗いの方が効果的だという。
一方、ウイルスに感染した人は、流行を広げないためにマスクをすべきだと指摘した。
記者会見したWHOのグローバル危機準備担当局長シルビー・ブリアン医師は、新型コロナウイルスを巡っては、
警戒レベルが最高度の世界的大流行を意味する「パンデミック」ではなく、根拠のない情報が大量に拡散する「インフォデミック」が起きていると指摘。
WHOは科学的に根拠のある情報を発信し、運航中止が相次ぐ中国便の再開などを働きかけていくと述べた。
出典:毎日新聞
新型肺炎(新型コロナウイルス)の虚偽情報にグーグルやフェイスブックも対応を始める
世界中を新型肺炎(新型コロナウィルス)の虚偽情報から起こる「インフォデミック」を改善するためにグーグルやフェイスブックも対応を始めています。
新型肺炎(新型コロナウイルス)各国の虚偽情報とは?
中国での新型肺炎(新型コロナウイルス)虚偽情報
「バナナを食べると感染する」「イチゴを食べると予防になる」「北京市内が封鎖された」「現金の受け渡しで感染する」「抗ウイルスマスクは風に当てるかアルコール消毒をすればくり返し使える」などなど、予防や感染拡大に関する誤情報レベルでなく、「嘘の拡散」が問題になっています。
中国国内では人民の情報統制の考えからGoogleやYahooなどの検索エンジンが使用できず「百度」といったような中国独自の検索エンジンが採用されていますが、いずれ中国国内でも虚偽情報の取締が行われるでしょう。
シンガポールでの新型肺炎(新型コロナウイルス)虚偽情報
シンガポールではインターネットメディアが運営する掲示板サイトに、1月26日に「初めての死者」というタイトルで、「新型のウイルスによる肺炎で、治療を受けていた66歳の男性が死亡した」という内容が投稿されました。
これについてシンガポール政府は27日、「死者は確認されていない」として、去年成立したうその情報、フェイクニュースの拡散を禁じる法律を適用して掲示板の運営会社に誤った情報だと認めるよう命令しています。
マレーシアでの新型肺炎(新型コロナウイルス)虚偽情報
マレーシアでは、SNSで刑務所に収監されていた男が新型のコロナウイルスに感染して死亡したとの情報が出回りましたが、現地の保健相が「虚偽の情報」だという声明を発表するなど、対応に苦慮しています。
台湾では感染症をめぐってデマや誤った情報を拡散し、人々に損害を与えた場合、日本円にして最大で1000万円余りの罰金が科されます。
台湾での新型肺炎(新型コロナウイルス)虚偽情報
台湾では今月21日、1人目の感染者が確認されたあと「北部の病院に感染した患者が入った。ほかの病人はこの病院に一度行ったら外に出られない」などとする内容の音声が出回りました。
これ以外にも「酢がウイルスに効果的で消毒によい」とか、「今回のウイルスは塩水でうがいするとよい」などの情報が拡散しています。
こうした情報に対して地元のNPO団体「台湾ファクトチェックセンター」は、専門家に意見を聞くなどして事実確認を行っていて、いずれの情報も今回のウイルスについては誤っていると判定し、情報を拡散しないよう呼びかけています。
日本での新型肺炎(新型コロナウイルス)虚偽情報
インターネット上で「東京五輪中止」や「中国人観光客が関西空港で検疫を振り切って逃げた」などのデマが拡散しました。
これらの虚偽・嘘・デマの情報が世界中で発生し「ウイルスは意図的に作られた」という陰謀論の虚偽情報までが拡散し、各国の関係当局が火消しに追われています。
くれぐれも、虚偽・嘘・デマの情報には気をつけてください!
新型肺炎(新型コロナウイルス)の虚偽情報にグーグルやフェイスブックの対応とは?
新型コロナウイルスの感染者が世界で増大している中、誤った治療法や感染事例などのフェイク(偽)ニュースがインターネット上で拡散するのを抑えるため、
フェイスブックやグーグルなどの米IT企業が虚偽の情報を検索しにくくさせたり、
削除したりする対応を始めています。
その逆に、世界保健機関(WHO)や報道機関の発信など信頼性の高い情報機関の情報を検索結果の上位に表示するなどの取り組みを進めています。
「インスタグラム」でも虚偽情報を広げる目的のハッシュタグを制限しています。
インフォデミックから身を守る新型肺炎(新型コロナウイルス)の虚偽情報の見分け方
インフォデミックから身を守るには、誰がどんな根拠を持って情報を発信しているのか、見極めることが重要で、
世界初の謎の病気に対する恐怖心からインターネットを通じていろいろと検索する気持ちは誰もが同じでよく分かりますが、
ネットやSNSで流れてくる情報に触れたときには安易に信じるのではなく、ちょっと立ち止まって確認してみることが大切です。
日本赤十字社などの医療機関でもWHOが公表している対策などを紹介していますし
厚生労働省では患者数や予防法などについて最新の状況をホームページで随時公開しています。
こうした信頼性のある情報を集めて自身の知識にすることでネット上の虚偽情報に触れた時に、その真偽が分かりパニックにならずに済むのです。